誕生日

今だって誕生日はうれしいけれど、
小さい時の誕生日はどうしてあんなにうれしいんだろう。


5月中旬の誕生日を
もうずっと前から楽しみにしている。

新学期が始まると、
さあもうすぐ誕生日がやってくる。
でもクラス替えで新しくできた友達は
わたしの誕生日を知らないから
教えたほうがいいかしら。
なんて考える。

5月に入ったころに、
おばあちゃんからおもちゃ屋さんのチラシが送られてくる。
一つ選んでリクエストの電話をする。
この時、妹も一緒にお願いする。
姉妹でどちらかだけがプレゼントをもらうのは
かわいそうだからと考えてくれていたみたい。

カレンダーを見ては
あと何回寝ると誕生日がくるか毎日かぞえる。
スーパーに並び始めた大好きなスイカを見て
いよいよだな、と感じる。

待ちに待った誕生日、
飛び起きて、おめでとうを待ち構える。
一日中なんだかうれしくて、物語の主役になった気分。
帰ったら家族がお祝いしてくれる。
お母さん手作りの、いつもより豪華な、
わたしの好物ばかりのご飯を食べて、
おばあちゃんから送られてきたおもちゃと、
両親から本のプレゼントをもらって、
電気を消して、出てくるのは、
ろうそくをたてた、スイカ。

そして12か月後の誕生日を楽しみにする1年が始まる。

 

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